アルファ・リポ酸点滴

アルファ・リポ酸

細胞にあるミトコンドリアは、ブドウ糖などの有機物を酸素によって分解してエネルギーを作っています。アルファ・リポ酸は、このミトコンドリアを活性化する作用を持っており、食事から摂るブドウ糖エネルギーの変換効率を上げ、活性酸素を抑制して老化を強力に防止する作用があります。
アルファ・リポ酸が持つ抗酸化力はビタミンCやビタミンEの400倍にもなるとされています。それに加えて、他の抗酸化成分であるCoQ10(コエンザイム)・ビタミンC・ビタミンE・グルタチオンなどを再生利用する効果も持っています。
また、がん、C型肝炎や肝硬変の治療に、アルファ・リポ酸と低用量ナルトレキソン療法を併用することで相乗効果が得られます。

アルファ・リポ酸点滴の対象疾患

ほぼすべてのがんの原発巣(最初に発生した場所)や再発・転移

乳がん・肺がん・膵がん・肝がん・食道がん・胃がん・大腸がん・直腸がん・腎がん・膀胱がん・前立腺がん・子宮がん・卵巣がん・悪性リンパ腫など

また、抗がん剤の作用促進、副作用軽減、放射線治療の副作用軽減にも有効です。

がん以外の疾患

ヨーロッパでは、C型肝炎と肝硬変への治療導入が進んでおり、生活習慣病(糖尿病・高脂血症・動脈硬化など)、自己免疫疾患(リウマチ・全身性エリスマトーデス/SLE・皮膚筋炎など)、神経疾患(パーキンソン病など)、そしてアンチエイジングや痩身にも用いられて効果を表しています。

アルファ・リポ酸の作用

アルファ・リポ酸は、それ自体が抗酸化物質として働くだけでなく、抗酸化物質として働いた後で抗酸化力を失ったビタミンA、C、E、グルタチオンなど、他の抗酸化物質を再生し、再び抗酸化力のある抗酸化剤に蘇らせることが大きな特徴になっています。
ビタミンは現在までに13個の存在が確認されています。ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミン(ビタミンB群とC)と、油に溶ける脂溶性ビタミン(A、D、E、K)があります。アルファ・リポ酸は、水溶性と脂溶性、どのビタミンに対しても抗酸化力の再生とその効果を高める働きを持っています。そのため、糖類代謝に関係するB-1、脂肪代謝に関係するB-2、タンパク質代謝に関係するB-6、コラーゲン代謝に関係するビタミンC,カルシウム代謝に関係するビタミンD、眼の視力維持や白内障の予防に関係するビタミンAなど、すべてのビタミンの抗酸化力を有効に利用できるようになります。

そして、アルファ・リポ酸は生命維持のために欠かせないエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)を作るのに必要不可欠な物質です。ATPは身体中の細胞にあるミトコンドリアが作っています。ミトコンドリアは不規則な食生活やストレスで発生したフリーラジカルなどによりダメージを受けることがあり、そうなるとATPを作れなくなってエネルギー産生量が不足していきます。そうなった際にアルファ・リポ酸を補うとATPが増産されるため、エネルギー産生がアップします。

アルファ・リポ酸点滴の抗がん作用

  1. 免疫力を高め、がん細胞を死滅に導きます
  2. がん細胞内のミトコンドリアのエネルギー産生を変化させることで、がん細胞をアポトーシス(細胞死)させます
  3. がん細胞をアポトーシスさせる実行因子を促進させます
  4. がんの発生や進行の原因となるフリーラジカルを除去します
  5. がんの発生に関わるとされている転写因子の活性を抑制します

アルファ・リポ酸点滴によるがん治療の特徴

  • ほぼすべてのがんの原発・再発・転移の治療と予防に有効であり、手術や抗がん剤、放射線治療との併用も可能です
  • 胸水や腹水がある場合や、透析中であっても治療適応があります
  • 免疫力の増加とがんの細胞死を促す低用量ナルトレキソン療法とアルファ・リポ酸点滴は相性が良く、併用することで相乗効果を期待できます

アルファ・リポ酸がこれほどさまざまな病態の改善に働く理由

フリーラジカルには、活性酸素、ストレス、放射線、喫煙、排気ガス、化学薬品、食品添加物などがあり、これらはさまざまな病気の原因として重要視されています。逆に言えば、フリーラジカルの消去は、病態改善につながるわけです。

そしてフリーラジカル消去の働きを持っているのが、抗酸化物質です。数ある抗酸化物質の中でもアルファ・リポ酸は特徴的な働きを持つ究極的な抗酸化物質です。そのため、幅広い病気や症状の改善に貢献することが可能なのです。

アルファ・リポ酸の特徴

  • 水溶性と脂溶性のどちらにも抗酸化物質として働きます。
  • ビタミンA、C、E、グルタチオンなど、他の抗酸化物質を再生し再利用させます。
  • 生命維持に欠かせないエネルギー(ATP)を作る際に必要不可欠です。

ビタミンの多くには抗酸化作用があり、水にしか溶けない水溶性ビタミン(ビタミンB群とビタミンC、脂肪にしか溶けない脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)のどちらにもアルファ・リポ酸は働きます。さらに、血液や脳脊髄液そして脳、心臓、膵臓、腎臓、肝臓、骨、関節、体脂肪など、あらゆる臓器のあらゆる細胞でも抗酸化物質として働くことができます。

アルファ・リポ酸は、自らが抗酸化物質として働くだけでなく、抗酸化物質として働いた後に抗酸化力を失ったビタミンA、C、Eやグルタチオンなどの他の抗酸化物質を再生し、もう一度抗酸化力を蘇らせることができます。

さらに、アルファ・リポ酸は、細胞内にあるミトコンドリアが生命維持に不可欠なエネルギーの元であるATP(アデノシン三リン酸)を作る際に働いています。フリーラジカルによってミトコンドリアがダメージを受け、ATPを作れなくなるとエネルギーは落ちてしまいますが、アルファ・リポ酸を補充することでエネルギー産生を戻すことができます。

上記のようなアルファ・リポ酸の優れた働きを応用したものが、アルファ・リポ酸点滴療法です。

アルファ・リポ酸点滴療法の流れ

初回の点滴はアルファ・リポ酸100mgから開始します。次第に量を増やしていって、最終的には通常400~600mgのアルファ・リポ酸まで持っていき、継続して点滴を続けていきます。ただし、量については症状や状態により変わってきます。

点滴時間は1回30~50分が目安です。

基本的には週2回の頻度で受けていただくと効果的です。
※理想的な頻度は、治療開始の1~2週間は毎日点滴を受け、その後週2回の点滴に移行するものとされています。

高濃度ビタミンC点滴療法の同時使用も可能です。

高濃度ビタミンC点滴療法後に、アルファ・リポ酸点滴を行います。これにより、ビタミンCの抗腫瘍効果を増強します。

アルファ・リポ酸点滴療法のがん治療としての働き

  • がんの発生や進行の原因となるフリーラジカルを消去
  • がんの発生に関わるとされる転写因子の活性を阻害
  • 免疫力を高めてがん細胞を死滅させます
  • がん細胞内のミトコンドリア内でのエネルギー産生の環境を変化させ、がん細胞をアポトーシス(細胞死)させます

がん細胞のアポトーシスを実行する因子の促進

がんは、フリーラジカル(活性酸素、ストレス、放射線、喫煙、排気ガス、化学薬品、食品添加物など)が細胞膜へ与えるダメージが原因となって起きてきます。アルファ・リポ酸は水溶性にも脂溶性にも働く強力な抗酸化物質ですから、こうしたブリーラジカルをあらゆる臓器の細胞レベルで消去します。

がんの発生にはフリーラジカルが引き金となって細胞をがん化させる転写因子(NFκB)の存在も指摘されています。アルファ・リポ酸はこの転写因子の活性を阻害し、がんの発現を阻止するとされています。

さらに、アルファ・リポ酸はリンパ球のひとつであるT細胞の活性を高めるため、がん細胞を死滅させる働きを持っており、これが点滴によるがん細胞への直接的な働きとして期待できます。

正常な細胞では、ミトコンドリアが酸素を使ってブドウ糖からエネルギーを産生する好気性解糖を行っています。そしてがん細胞では、酸素を使わずにブドウ糖からエネルギーを産生する嫌気性解糖を行っています。アルファ・リポ酸を投与すると、酸素を使った好気性解糖が活性化され、その代謝環境に応じられない嫌気性解糖を行っているがん細胞はアポトーシス(細胞死)を起こします。

また、アルファ・リポ酸はがん細胞のアポトーシスを阻害する因子(bcl-2)を抑え、アポトーシスを促進させる因子(bax)を活性化します。さらに、アポトーシスを実行するチトクロームCやアポトーシス誘導因子であるAIFがミトコンドリアから核へ移行することを促進させるといった働きがあるため、がん細胞のアポトーシスを起こりやすくします。

がん治療におけるアルファ・リポ酸点滴療法の特徴

  • ほぼすべてのがんの原発・再発・転移の治療やがん予防
  • 現在のがんの3大療法(手術、抗がん剤、放射線治療)との併用が可能
  • 高濃度ビタミンC点滴療法との併用で抗がん作用増強が期待できます
  • 胸水や腹水がある場合や、また慢性腎臓病があっても治療適応です※この場合、高濃度ビタミンC点滴療法の適応は難しいとされています
  • 低用量ナルトレキソン療法(免疫力の増強とがん細胞の自滅を促す)との併用による相乗効果が期待できます

アルファ・リポ酸点滴療法の副作用

アルファ・リポ酸点滴療法の副作用には、穿刺部位の痛みや灼熱感があります。まれですが、冷汗、寒さ、震え、動悸などの低血糖症状が現れるケースもあります。

低血糖症は、アルファ・リポ酸による『インスリン自己免疫症候群』です。これは、ヒト白血球抗原DR4(DRB1*0406)を有する人がアルファ・リポ酸やグルタチオンなどのチオール基(SH基)を持つ薬剤を服用した時に発症しやすいとされているため、低血糖症状が疑われる場合には、このヒト白血球抗原DR4の検査を行います。