70歳代の女性。胃がん治療の補助を目的としてイベルメクチンを内服していたところ、肝機能検査値に著しい異常が認められた症例をご紹介します。
これまでの治療経過
胃がんに対する治療の補助として、イベルメクチンを内服していました。
2026年7月から抗がん剤による治療が開始されましたが、その治療過程で肝機能検査値が著しく高いことが確認されました。
担当医からは、肝機能の状態によって抗がん剤治療を進めることが難しいと説明されました。
イベルメクチン中止後の経過
肝機能検査値の異常を受け、担当医からイベルメクチンの服用を中止するよう指示があり、内服をすべて中止しました。
その約2週間後に行われた血液検査では、肝機能検査値の改善が確認されました。
その後、化学療法が実施されています。
本症例について
本症例では、イベルメクチンの内服中に著しい肝機能検査値の異常が認められ、内服中止後に改善が確認されました。
この経過から、イベルメクチンによる薬剤性肝障害の可能性も考慮する必要があります。
一方、肝機能障害には、抗がん剤や他の併用薬、肝転移、胆道閉塞、感染症など、さまざまな原因が考えられます。
したがって、今回の肝機能障害がイベルメクチンによって生じたものと断定することはできません。
ただし、肝機能異常によって標準的な抗がん剤治療の実施に支障が生じた可能性があり、安全性を考えるうえで重要な症例と考えられます。
イベルメクチンのがん治療に対する有効性や安全性は確立されていません。特に、抗がん剤など他の薬剤を使用している場合は、相互作用や副作用にも注意が必要です。
本症例は、補助的な薬剤の使用に際しても、服薬状況の把握と定期的な検査、治療に関わる医師同士の情報共有が重要であることを示しています。
※本記事は個別の症例経過を紹介するものであり、イベルメクチンと肝機能障害との因果関係を確定するものではありません。





